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| Q8 |
挿管している患者にTピースをつけて酸素吸入させていますが、リザーバとしてどのくらいの長さの蛇管をつければよいのでしょうか? |
| A |
| 蛇管を1区間(約15cm)つけてください。 |
| インスピロンネブライザーを使用している場合、大量の酸素ガスが供給されていますが、リザーバとして蛇管をつけることで、吸気時に空気の吸い込みが少なくなり、吸入酸素濃度をより安定させることができます。
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| 酸素チューブから酸素を供給している場合は、蛇管1区画の容量は約60mlですので、蛇管にたまる呼気ガスを放出するために、2L/分以上を流すことが推奨されます。
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| Q9 |
気管切開患者の場合、人工鼻をしたまま酸素吸入させるにはどうすればよいのでしょうか? |
| A |
| 気管切開用の人工鼻には、専用の酸素供給チューブが販売されています。人工鼻をつけたまま酸素を投与する場合は、そのチューブを使用してください。 |
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| Q10 |
酸素流量計の恒圧式と大気圧式の違いを教えて下さい。また、インスピロンを使用する場合、どちらを使用すればよいのでしょうか? |
| A |
| 構造的に酸素流量を調節する部品の位置が違います(下図参照)。そのため、使用できる機器や取扱方法に違いがあります。 |
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| 大気圧式
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恒圧式
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| 大気圧式は、鼻カニュラや簡易酸素マスクのような、流量抵抗の掛からない「低流量システム」でのみ使用できます。また流量計を使用しない時に配管やボンベに接続したままでも、流量計内部に圧力が掛からないため、大きな問題はありません。
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| 一方、恒圧式は、「低流量システム」だけでなく、流量抵抗のかかるベンチュリマスクなどの「高流量システム」でも正確な流量を調節することができます。しかし流量計内部に常に配管圧力が掛かっているため、使用しない時に配管に接続したままにすると破損するおそれがあります。
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| インスピロンネブライザーは、「高流量システム」に分類される器具なので、恒圧式の酸素流量計を使用することになります。
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| Q11 |
CO2ナルコーシスとはどのような病態なのでしょうか。CO2ナルコーシスになるとどのような問題が生じるのですか? |
| A |
| 二酸化炭素は生体では酸として作用します。そのため、高炭酸ガス血症になると(呼吸性アシドーシスといいます)、血液はアシデミア(酸血症)になります。この変化(血液の酸性化)が急激におこると、脳のpHも酸性になり、中枢神経障害がおこります。この状態をCO2ナルコーシスといいます。動脈血pHが7.30以下になると傾眠傾向になり、7.10以下では昏睡状態になります。 |
| しかし、PaCO2の上昇が数日かけてゆっくりしているときは、その間に腎臓がpHを補正します(代謝性アルカローシスといいます)。このようなときは、PaCO2が高値であってもpHがほぼ正常範囲に保たれていますので、CO2ナルコーシスは起こりません。
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| Q12 |
低流量での酸素投与では加湿は必要ないと聞きましたが、何リットル以下なら必要ないのでしょうか? |
| A |
| 皆さんの病院では、酸素吸入の際には酸素加湿器を使っていると思います。 |
| でも、ちょっと考えて下さい。鼻カニュラで2L/分の酸素を吸っているとします。このとき、1秒間に流れる酸素の量は33ml(=2、000÷60)。私たちは1秒間に500mlの空気を吸うのに、鼻カニュラから肺に入る酸素は1回に吸う量の6.6%(=(33÷500)×100)にすぎません。このわずか6.6%を加湿してもその影響はきわめてわずかと思いませんか? 実際にこの流量の酸素を吸ってみて下さい。ほとんど気がつかない量です。残りの467ml(=500−33)は鼻のまわりの空気を吸っています。そう、大切なのは室内の湿度です。酸素吸入の酸素を加湿するよりは室内の湿度を高めたほうがよほど効率的です。5)
6) 7)
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| ちなみに、米国では鼻カニュラで酸素流量5L/分以下の酸素を加湿する科学的根拠はないと米国胸部学会(ATS)のガイドラインに記載されています2)(米国呼吸療法学会(AARC)では4L/分以下とされています)1)。ただし、わが国のように多湿な環境に慣れた患者さんに、米国のガイドラインがそのまま通用するとは限りません。そのため、我が国で報告された研究成果から、鼻カニュラで酸素流量は3L/分以下、あるいはベンチュリマスクで40%以下にあえて酸素を加湿する必要がないと、酸素療法ガイドライン(日本呼吸器学会、日本呼吸管理学会編、2006年)4)に記載されました。 |
| 酸素の加湿が不要になれば酸素加湿器による夜間の騒音も解消されます。使い捨て容器入り加湿用蒸留水は1個1000円程度です。毎週1回交換するとして、皆さんの病院でいくらかかるか計算してみて下さい。経費節減の意味からも検討する価値はありますね。
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| ただし、天然の加湿器である鼻で呼吸できない患者、たとえば人工呼吸器を使っている患者さんの場合は違います。当然、加湿は必要です。 |
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| Q13 |
低流量での酸素加湿はすべきではないのでしょうか? |
| A |
| そんなことはありません。酸素加湿をやめるべきとはガイドラインにも記載されていません。酸素加湿を続けるのは構わないが、あえて行わなくてもよいということです。なぜならば、酸素加湿をおこなったほうが鼻腔の刺激が少ないのです。ただし、低流量(鼻カニュラで3L/分以下)や低濃度(ベンチュリマスクで40%以下)では酸素加湿をおこなわなくても自覚症状に差がないことから、あえて、看護業務を増やし、加湿器につかう滅菌蒸留水を購入してまで酸素加湿をおこなわなくてもよいという意味です。酸素加湿はやめるべきと誤解している方が多いので注意してください。 |
| 急性期の病棟では酸素流量は患者の状況で大きく変動します。そのような病室でははじめから酸素加湿器をつけていた方が現場の状況に即しています。
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| Q14 |
気管切開患者にベンチュリマスクを使用していますが、加湿は必要ですか?もし、必要な場合はどのように加湿したらよいですか? |
| A |
| 加湿は絶対に必要です。通常の加湿器をつかってください。ただし、室温加湿では加湿効果は弱いため、加温加湿器を使うとよいでしょう。 |
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| Q15 |
感染予防のためにネブライザーはどのくらいで交換したらよいのですか? |
| A |
| 24時間毎に低レベルの消毒、もしくはパスツール式低温消毒し空気乾燥させる必要があります。これは米国の疾病予防管理センター(Centers
of Disease Control and Prevention)から発表されている「医療に関係する肺炎の予防のためのガイドライン2003年版」に推奨事項(蒸気テント・ミストテントの項)として記載されています3)。 |
| 同ガイドラインにはネブライザーの交換時期については、未解決の事項とされていて、現時点では明確な基準がありませんが、24時間毎に消毒する必要がありますので、それを目安にするとよいでしょう。
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| Q16 |
インスピロンネブライザーの水が少なくなった場合、水を注ぎ足してはいけないのでしょうか? |
| A |
| いけません。インスピロンネブライザーはベンチュリ効果により、酸素を室内の空気で希釈して酸素濃度を調整しています。室内の空気を巻き込む際に、空中の浮遊菌も一緒に巻き込んでしまいます。そのため、水の注ぎ足しを繰り返すと、蒸留水が汚染され、細菌が増え、院内感染の感染源となる危険性があります。ネブライザーの水が不足したときは、必ず、容器に残った水を廃棄して、容器を滅菌蒸留水でよくすすぎ、新しい蒸留水と交換してください。 |
| なお、インスピロンネブライザーは本来単回使用を想定して作られています。そのため、一人の患者に一つのインスピロンネブライザーです。
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| 消毒して何回も使用している病院があると思います。その場合、酸素濃度設定が正しく行われていない危険性があります。
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引用文献
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| 1) |
AARC
clinical practice guideline - oxygen therapy in the home or extended
care facility -. Respir Care 37: 918-922, 1992.
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| 2) |
CDC(米国疾病予防管理センター).
Guidelines for Preventing Health-Care-Associated Pneumonia, 2003.
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| 3) |
Official
statement of the American Thoracic Society. Standards for the
diagnosis and care of patients with chronic obstructive pulmonary
disease. Am J Respir Crit Care Med 152:S77-S121, 1995.
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| 4) |
日本呼吸器学会,日本呼吸管理学会編.
酸素療法ガイドライン, 2006.
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| 5) |
小熊英敏,宮本顕二,木野靖史,ほか.酸素加湿器の加湿能力の検討.日本呼吸管理学会誌
13(3);512-515, 2004.
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| 6) |
宮本顕二.経鼻的低流量(低濃度)酸素吸入に酸素加湿は必要か? 日本呼吸器学会雑誌42(2):138-144,
2004.
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| 7) |
宮本顕二,加後勇人,福家 聡,西村正治.経鼻的酸素吸入における酸素加湿の必要性の有無に関する研究.日本医師会雑誌
133(5):673-677, 2005.
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| 8) |
宮本顕二 ネブライザー付酸素吸入器(インスピロンネブライザー,アクアパックネブライザー)で高濃度酸素吸入はできない.日本呼吸器学会雑誌
43:502-507, 2005.
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| 9) |
宮本顕二,前川弘恒,岡田 晃,笠原敏史.吸入酸素濃度調節機能のない簡易酸素マスクにおける酸素流量と吸入酸素濃度の関係.日本呼吸管理学会雑誌
15;264−269,
2005.
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