| 1) |
呼吸中枢の抑制 |
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長期間の低換気状態により高炭酸ガス血症がある患者は、呼吸中枢が炭酸ガスではなく、低酸素による刺激で維持されている。このような患者に対して高濃度の酸素が投与されると、低酸素による換気刺激が除かれて換気抑制が起こり、血中の炭酸ガス濃度が上昇し、意識障害などの精神神経症状が出現する。従って慢性の高炭酸ガス血症がある患者に酸素を投与する際は、十分注意する必要がある。 |
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CO₂ナルコーシスの発生が予測される患者に酸素を投与する場合、不用意に高濃度の酸素を投与せずに低濃度酸素から投与を開始し、臨床症状や動脈血ガス分析の結果を見ながら、必要に応じて酸素濃度を上げていく。その際、患者の呼吸状態で吸入酸素濃度が変化するオキシジェンカニューラ(経鼻カニューラ)やオキシジェンマスクよりも、一定濃度の酸素を投与できるベンチュリーマスクが有用である。 |
| 2) |
酸素中毒 |
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高濃度の酸素を長時間吸入させると、気管支粘膜および肺胞上皮に傷害が生じる。胸骨下の不快感、悪心、咳、呼吸困難などを訴え、肺機能障害や胸部X線で両側の広範囲な肺水腫様の変化が見られる事がある。 |
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予防として動脈血ガス分析を行いながら、必要最低限の酸素投与を行い、吸入酸素濃度はできるだけ50%以下※に設定するようにする。 |
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ヒトにおける安全な酸素分圧と投与時間は、未だ確立されていない。酸素中毒を生じさせないためには、100%酸素吸入は6時間以内、70%では24時間以内、それ以上の長期投与は45%以下とされている。 |
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※60%以下と記載している成書もある。 |
| 3) |
未熟児網膜症 |
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未熟児に高濃度の酸素を長時間投与すると、網膜の血管組織が増殖するため、網膜症を起こし、失明することがある。 |
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未熟児網膜症に対する根本的な治療法がないため、以下のような予防処置が重要である。 |
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| a) |
適応例以外に酸素吸入を行わない。 |
| b) |
40%以上の酸素を吸入させない。 |
| c) |
呼吸不全のある患児ではチアノーゼが取れるまで酸素を吸入させ、PaO₂を60〜80
Torrに維持し、100 Torrにしない。 |
| d) |
酸素吸入が必要な症例では、動脈血酸素分圧(PaO₂)および経皮的酸素濃度(SpO₂)測定を行う。 |
| e) |
定期的に眼底検査を行う。 |
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| 4) |
無気肺 |
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高濃度酸素を吸入すると窒素が肺内より洗い出される。窒素より酸素が血中に拡散しやすいことから、無気肺を起こすと言われている。 |
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また、高濃度酸素吸入により、肺胞の界面活性物質の生成や分泌が障害される事も無気肺出現の原因となりうる。 |